頼みの綱は当日券

ミラノで絶対に見たかったもののひとつ、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」。有名すぎると同時に、損傷が激しい絵画でもあるため、そのうち見ることができなくなる可能性があるとも言われている。

見れるうちに見ておきたい。でも、公式サイトから購入できるチケットは、数ヶ月先まで売り切れ。出発を決めた時にはすでに、入国して出国するまでの全ての日程で売り切れだったので、もうどうしようもなかったのだけど、意外と当日券は入手できる可能性があるというウワサを耳にしたので、当日券を狙うことにした。

朝の7:00台、「最後の晩餐」のあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会に向かうため、地下鉄のCADORNA駅に降り立つ。

意外と大きな駅で、見る角度によっては、中華風の様な、東南アジア風の様な、北欧風の様な。。。様々な解釈ができそうな、モダンアートな駅舎だった。

駅から10分ほど歩くと、お目当ての教会に辿り着く。

写真は教会の正面左手、「最後の晩餐」の見学入り口。この入り口の左側に、チケットオフィスがある。

当日券は8:00から販売開始。そんなに早くから並ばなくてもOKという口コミもあったので、7:00台後半に到着。ココアたちは3組目だった。その後は待っている間に、ココアたちの後ろにも何組か並び、いよいよチケットオフィスがオープン。ドキドキしながら順番を待つ。

まず、最初の組は10:00台のチケットを入手。次の組は、12:00台。そして、3番目のココアたちは、無事に15:00台のチケットをゲットできた(´∀`*) 欲を言えば、もう少し早い時間の方が良かったけど(欲張りすぎ)。。。とりあえず良かった〜〜〜!!!

ココアたちの後は16:00台と17:00台が数組ずつで、7〜8組目くらいからはSOLDOUTだった。

ちなみに余談だけど、午後は入り口付近で、「最後の晩餐ツアー」なるものの当日参加を募集している旅行会社がいた。正規の旅行会社なのか、ダフ屋なのか、詐欺なのか、ココアには見当もつかないけれど、その旅行会社からチケットを購入していた方を見る限りは、きちんと入場できている模様。もし正規の旅行会社なら、チケットが取れなくても、チャンスがあるかもしれない。(ご利用は自己責任でお願いしますよ)

ロッカーとオーディオガイド

さて、そんな感じでチケットを取った後は、しばらく別のエリアで時間を潰して、集合時間の30分ほど前に再びチケットセンターに戻る。

ロッカーに荷物を預けて、オーディオガイドを借りる。ロッカーは無料、オーディオガイドは3.5ユーロ+パスポートを預ける(オーディオガイド返却時に、パスポートも返却)。

オーディオガイド貸出でパスポートを預けるのはよくあることなのだけど、ココア的にはパスポートは人に渡したくないなあ。。。と、いつも思うんだよね。少々高くてもいいから、クレジットカードのデポジットとかにはならないのだろうか。。。そんなことを思いつつも、折角だから色々聞きたいし、それなりに信頼できそうな場所なので、渋々パスポートを預けた。

オーディオガイドはこんな感じ。日本語も選択できる。

いよいよ、入館!

さて、荷物も預けて、オーディオガイドも借りて、万全の状態で入館!

同じ時間の方々が集まるまで、解説などが展示されている小部屋で時間を潰す。

「最後の晩餐」は修道院の食堂の壁画として描かれており、ドアが幾重にもなっている通路を通って、食堂に向かう。途中、通路から見える教会やその回廊も美しかった(´∀`*)

そして、いよいよ目的の名画に辿り着く。

広い縦長のホールの壁面に、名画中の名画「最後の晩餐」は描かれていた。

美しい。。。

ただ、オーディオガイドを借りて正解だったな、と思ったのが、ある程度絵画に詳しくない限り、解説がないと、良さを発見できないまま終わってしまう可能性があると思ったから。想像していたよりも、実物は色が薄く、ぼやっとした感じなのだ。

「最後の晩餐」は、テンペラ画法という、顔料と卵などを混ぜて作った絵の具で描かれているらしい。通常のフレスコ画に比べて、重ね塗りや繊細な色味を出せる一方で、耐朽性に欠けるとのこと。食堂で湿度が高いというのも加わって、レオナルド・ダ・ヴィンチが生きていた当時から損傷が激しかったらしい。

その後も、歴史の中で修復されたり、劣化したりを繰り返し、20世紀後半、大規模な修復をして今に至る。見学人数を制限しているのは、湿度が上がることで絵が劣化してしまうからなのだとか。

なるほど。。。そんな繊細な絵だったのね。。。

しかも、第二次世界大戦を含めた歴史的背景を考えれば、奇跡的に生き残った作品とも言われているらしく、絵の周りは、恐らく現代に作られた真っ白な建物に、生き残った建物の破片を繋ぎ合わせたような感じだった。

それにしても、ココア的には、「モナリザ」については、なぜ名画の中の名画なのか、納得する理由がなかなか見つからないけれど(美しい絵ではあると思うけど。。。)、この「最後の晩餐」については、なぜ名画中の名画なのか、すんなりと納得できる。だって、この時代では考えられないほど、モダンで科学的なんだもの。

言うならば、15世紀の「アート×サイエンス」なんだと思う。現代の「アート×サイエンス」は、AIなどが駆使されたデジタルアートを指すことが多いけれど、この時代の「アート×サイエンス」は、遠近法・明暗法・解剖学などが高度に駆使された絵画であり、その集大成であることこそが、この絵の最大の魅力なんじゃないかなあ。。。というのが、素人ココアの納得できる理由でございます。

専門家などの視点から見れば、「ドラマチックな表現」など、他にも評価されているポイントはいろいろあるらしいけどね。

ちなみに、「最後の晩餐」の反対側に位置する絵画はこんな感じ。ジョヴァンニ・ドナート・モントルファーノの「キリストの磔刑」。こちらはフレスコ画なので、綺麗に保存されていた。「最後の晩餐」と同じく、奇跡的に生き残ったらしい。

この空間は、奇跡が生み出したものだったのね。